2017年10月の詩

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友人、また読者の皆様、
ポイントエディションは10月29日から11月12日、アントワープにおいて国際詩のコレクションを展示いたします。12月1日の”美しい詩”ドン・ルイージ・ディ・リエグロ国際詩賞受賞のためにベルギーからイタリアへ渡ります。次回の「今週の詩」は11月末にお届け予定です。
詩的な挨拶とともに
ジャーメイン

想い

彼の瞳と彼女の泪の間は いつもそのスーツケースと 数え切れない旅行による遠距離がある

洞察に至るまで 詩の火に至るまで 異国において

原作
フアッド・リフカفؤاد رفقة、レバノン(1930–2011)
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt

もつれ

このもつれた世界の 秩序は保たれていると 自らを欺き 信じ込ませる

飢えた子供が 泣いているのが 聞こえる

死んでいく兵士が 見える

地球の心が 縮こまっているのを 感じる

原作
ローゼ・アウスレンダーRose Ausländer(1901–1988)
原題
Wirwar
出典
Mein Atem heißt jetzt』、Fischer Verlag
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

友人、また読者の皆様、
9月17日から20日までミカエルエミネスク国際詩祭に参加し、(国際詩の貢献者として2度目の受賞をいたしました。)十数名もの昔からの、また新しい詩人に出会うことができ、ギリシャ語、トルコ語、ウクライナ語、ヘブライ語が新たに追加され「今週の詩」は17言語に翻訳、公開される予定です。
ジャーメイン
Edvard Much

間違えた

彼らは必要のないものを売る それでも君は買う 彼らは好きでない耳障りな歌を歌う それでも君は聴く

花々のささやきは いつ聞くのか?

外見のきらびやかさを押付け 同様になるため 彼らから奪い取ろうとする 脳から理論を搾り取る 彼らを真似したら 己を高めてくれると君は信じる

鳥たちのさえずりは いつ聞くのか?

原作
マノリス(エマニュエル・アリギザキス)Manolis (Emmanuel Aligizakis)、クレタ島(1947)
原題
Wrong Path
詩人マノリスはギリシャ語版「今週の詩」の翻訳者です
出典
Nostos and Algos』、Ekstasis Editions
日本語翻訳
リボアル菜巳乃
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