2018年4月の詩

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撮影:デザイン・パオラ・リオスDiseño Paola Ríos

一掃まで炎の翼で

欲しいのはどこでも歌えること 欲しいのは羽のゆりかご 欲しいのは足の間に天国のかけら 欲しいのは口の中に蜂の群 欲しいのは体に地球とジャスミンの香り 欲しいのは足先からたち昇る燻製の舌 欲しいのは広げた羽の付いた肘 欲しいのはひばりの羽と肘を取替えること 夜明けに

原作
カルロ・カストロKaro Castro、チリ(1982)
原題
Con alas de fuego hasta el exterminio
出典
La mujer gallina』、Ediciones Balmaceda2016
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt

ひと飛び、すべての方向が変わった 雨の(生きている!)鉄の道は 私たちを夜明けに導き あなたの夢を見た 地球全体は不眠に陥り 数世代の木がたわみ 空では雲が混み合い 夜に野生のインスピレーションが包み、私たちは恋に落ちた

原作
アレクサンドル・コロトコOlexandre Korotko、ウクライナ(1952)
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

スペインのロンダにある八本蛇口の手水舎

八本蛇口の手水舎

黄土壁に はめ込まれている八口 奇跡の様に 水が溢れている。 巡礼者は —敬虔に頭を下げ— 手を伸ばし 祈る。 「純粋で透明な水 乾き以上に 私を潤す」

原作
ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt
原題
Fuente de los Ocho caños
出典
The Ephemeral Flower of TimeDe efemere bloem van de tijd』、POINT Editions2017
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

シリアのグータの空爆

果ては一からまた始められる

母を埋葬し 破裂弾のシャワーの下を墓地から走り戻った後 縒れた布の中の兄弟を兵士が連れて戻し 彼のライフルを兵士へ返した後 我が子の目の中に炎を見て ぞっとするネズミらと穴蔵へ飛び込んだ後 恐怖で誰かわからない老婆の顔を ぼろ切れで拭った後 街角で餓えた犬がどのように 自分の傷の血を舐めるかを見た後 これらすべての後に 余りに空っぽで面白くなくを忘れさせてくれる 記者のように詩を書きたい その瞬間道で誰かが尋ねる、 なぜ冷淡な記者のように詩を書く?

原作
ゴラン・シミックGoran Simic、ボスニアのサラエヴォ
原題
It can start all over after all
出典
World Poetry, Almanac 2010』、Hadaa Sendoo
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

愛情の姿、想の中、空からの雪の舞い時。 懐疑的な柔らかな目、自身を反射し 木々の間をはらはらと 舞い降りる —ほら、天国の崩壊!— そして男たちは木々になり 雪の抱擁を受け包み込まれる

原作
エリサベタ ヨシフElisabeta Iosif、ルーマニア
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

昨夜は私の上で眠りに落ちた! そして今日は寝返りを打ち 眠りについたふり。 復活の日まで共に。 あの言葉をまた聞きたい 眠っている君が私に言った昨夜の言葉!

原作
ジャラール・ウッディーン・ルーミجلال‌الدین محمد رومی(1207–1273)
日本語翻訳
リボアル菜巳乃
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