2018年5月の詩

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撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロート(Germain Droogenbroodt)

歌ってください真実の愛の歌を

石は長く留まる 静けさと沈黙で横たわり 道の端を 見ることもない

無音 無の場 無言 望まれず 石は残る 語り手もなくその物語は続く

愛もなく 真実もなく ある国から誰かが書いた

もし応えがたったひとつしかなければ お願いです 歌ってください、国のためではなく 愛の歌を

原作
ハット・フィッシャー(Hatto Fischer)、ドイツ(1945–2017)
原題
Singe mir das Lied von der wahren Liebe
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

待っている

干ばつのように、雨を          餓えた人のように、一片の食物を   溺れた人のように、救助を      死にゆく人のように、生れ変わりを⋯ 私は君を待つ

原作
H. S. シバプラカシュ(H. S. Shivaprakash)、インド
原題
Waiting
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロート(Germain Droogenbroodt)

海上の雲

海上には雲 海辺には銀製の船   海中には黄色の魚   海底には青藻     

海岸近くに 考え 静止している 裸の男

雲になるか それとも船? 魚になるか それとも海藻?

否、少年よ: 雲と、船と、魚と海藻をもつ 海となれ

原作
ナーズム・ヒクメット(Nâzım Hikmet)、トルコ(1902–1963)
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

彫刻
マリーポール・デビル・シャルボル(Marie Paule Deville Chabrolle)

光を与える人

あなたが私を見るとき 私の眼は鍵になる 壁は秘密をもち 恐れは言葉に、詩になる。  あなただけが私の記憶を作る 心奪う旅行者、 絶えない炎

原作
アレハンドラ・ピサルニク(Alejandra Pizarnik)、アルゼンチン(1936–1972)
原題
Quien alumbra
出典
『La voz del otro lado – De stem aan de andere kant / Poesía moderna de Argentina』、Point Edition、2010
日本語翻訳
リボアル菜巳乃
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