残るのは遺産としての名前だけ
これは海岸から海岸への 昨日から一寸前の 足跡を残さない 旅だ。
水しぶきと砕ける波に委ねるか、 丸い石に刻まれるか? 飛んでいる鳥に委ねるか、 松の木に刻まれるか?
残るのは、 存在しないところに記録された 旅人の名。
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これは海岸から海岸への 昨日から一寸前の 足跡を残さない 旅だ。
水しぶきと砕ける波に委ねるか、 丸い石に刻まれるか? 飛んでいる鳥に委ねるか、 松の木に刻まれるか?
残るのは、 存在しないところに記録された 旅人の名。
海上に明月が生まれ、 天空を輝かせる。 恋人は離れた夜を嫌うが、 夕が相思相愛を呼び戻した。
蝋燭を吹き消し、 月の光を楽しむ。 露が濃くなり、 上着を羽織った。
手に溢れる月の光を 君に贈れないから、 夢で君に会いたいから、 眠りに帰ろう。
感謝します森よ、私に眼を返してくれること あなたの芝生に横たわり、 眼をとじるときにも。
私に手がある理由をくれること 足が土につまづいて あなたの根を掴むため。
漆黒の樹皮の空の向こうに 小さな月のようにあわられる 忘れていた私の魂を 見詰めている 目しか見えないものからの、 知らない音からの、 夜に歩く怖さを 克服することを教えてくれた。
何かの兆候か、 もしくは 唯の目の保養