2018年2月の詩

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フェルナンド・アギアルFernando Aguiar

文字よもう一度

今夜は どう書くべきかわからない これは心の新境地か?

今夜は 私がうんざりしているから 文字たちは頭痛持ち

今夜は 心に一つも考えが浮かばない 真っ白な紙 私は、待って、待って 思考の空から 文字が降りてきた そして私の魂の 亀裂を充した・・・

原作
アルリンド・ファリジArlind Farizi、マケドニア(1984)
原題
The Word Again
出典
Poem between two summers』、Struga Poetry Evenings
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

シリアのエフリン(2018)

赦免

高い樹の上に ある鳥は巣を作った その樹は神に どうか私の方向に嵐を呼ばないでくださいと 神に祈った

原作
フセインハバシュحسين حبش、クルディスタン(1948)
クルディスタンのエフリン(1970)
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

シリアのエフリン(2018)

二本樹の愛

その二本の樹々はひどく愛し合っていた 妬みにもえた木こりが 二本の樹々を切り倒し 家へ持ち帰った 偶然に炉の中で再会でき 幸福に抱き合い 共に燃やされた

原作
フセインハバシュحسين حبش、クルディスタン(1948)
クルディスタンのエフリン(1970)
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

ニカラグア・グラナダ国際詩際への三度目の招待を受け、バレンタインデーにニカラグアでも最も重要な現在詩人であろうクラリベル・アレグリアの愛の詩を選びました。私は彼女の詩をこよなく愛していて、彼女も私の詩に対して同様であったことに感謝しています。ニカラグアで今月会うはずだったのが、スペインの新聞により彼女の訃報を知りました。この二つの愛の詩は偉大な女性、詩人で詩の友人であった彼女へ送ります。
撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt

愛にまつわるすべてになりたい

恋人 愛される人 めまい そよ風 水の反射 そして今のところ私たちを覆っている 蒸気のような 漠然とした あの白い雲に

原作
クラリベル・アレグリアClaribel Alegría、ニカラグア(1924–2018)
原題
Quiero ser todo en el amor…
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt

境界線

私は雲でした そして雨 そして海 そして月になりたかった そして壁 そしてあなた。

原作
クラリベル・アレグリアClaribel Alegría、ニカラグア(1924–2018)
原題
Fronteras
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

京都、2017
撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt

樹が風に舞い上がる

ジャーメイン氏へ贈る

樹は風なしでは無だ 風が動きに印象を与えないとしたら 存在も確かではない その樹は 樹液で自身を支え 火が燃やし、 風が嵐の夜に破壊を駆り立てる木材で その幹、その根、その呼吸よりも イメージ、詩、写真、文書と 同じ瞬間にだけ存在する。

風に、 編み出す人の視線に、 樹はしなる。

その樹は風の中で、もしくは思想で動くとき 生まれ出る、

詩が私たちを感動させる時の様

原作
ジョゼ・エドゥアルド・デグレージアJosé Eduardo Degrazia、ブラジル
原題
A Árvore Se Faz No Vento
日本語翻訳
リボアル菜巳乃

撮影:ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt

問い

地球よ、あなたはまだ 原始光の火花以上、

宇宙にさ迷う 殺がれた岩石以上の存在なのか?

黄金の子牛が 天使の翼をもがいた

そして—預言者の様に見せかけ— 支配者は真実の様に嘘を広げる

馴染みある羽ばたきが 微かに聞こえる 心の二重の鼓動

原作
ジャーメイン・ドルーゲンブロートGermain Droogenbroodt
原題
Question
出典
Counterlight』、POINT Editions
日本語翻訳
リボアル菜巳乃
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